未経験のIT転職に資格は必要?有利になる資格は?

未経験からIT業界への転職を考えている方の中には

「IT資格がなくても転職できるの?」

「取得するならどのIT資格がいいの?」

とお悩みの方も多いでしょう。

この記事では、

・未経験からのIT転職で資格は必要かどうか?

・IT資格にはどのような種類があるか?

を解説したうえで、

未経験からのIT転職におすすめの資格をご紹介します。

是非参考にしてください。

1.未経験からのIT転職に資格は必要?

そもそもIT業界に転職する際に資格は必要なのでしょうか?

IT資格に関してインターネット上では「役に立つ」「役に立たない」といったさまざまな情報が溢れているので、惑わされないようにしたいところです。

そこでまずはIT業界への転職において、IT資格がどの程度重要なのかを確認していきましょう。

前提として評価されるのはIT資格より実務経験

結論から言うと、IT業界の転職で評価対象となるのはIT資格の有無よりも「実務経験」です。

どれだけ多くのIT資格を持っていても、実務経験がなければ、経験豊富な人材に勝つことはできません。IT業界は何よりも実務経験が重視される業界であることから「資格を取っても意味がない」という情報もよく耳にします。

また、IT業界で仕事をするために絶対に必要な資格がないことや、実際に資格を取得せずに仕事をしているエンジニアが多いことが、IT転職に資格はいらないと言われる理由のひとつです。

しかし、IT資格は取っても何の役に立たないのか?というと、決してそうではありません。

未経験からのIT転職の場合、IT資格は有利になる

IT業界において「資格<実務経験」が前提としてありますが、資格取得が無意味なわけではありません。

特に、未経験からIT転職に挑戦する場合には、IT資格は有力なアピールポイントとなる場合があります。

近年では未経験者の将来性に期待して、ポテンシャル採用をする企業も増えてきました。

そんな中でも、ITに関する基礎知識を一通り学んでいる人と、全く無知の未経験者を比べると、前者の方が転職に有利だということは言うまでもないでしょう。

なぜなら、ポテンシャルに期待して採用したものの、入社後に実務が始まってみるとIT業務への適性が著しく低かったり、期待していたレベルに到達できる見込みが薄かったりする可能性があるからです。

IT系の資格を取得済みであれば、少なくとも「このレベルの知識は身についている」ということが明確になります。また、IT資格取得のためにコツコツ勉強し、努力できる人材だという評価にも繋がることがあります。

入社後にそもそも適性がなかった、という致命的なミスマッチが起こるリスクを低減させるためにも、資格の有無は企業側にとって安心材料の一つになり得るでしょう。

「資格さえあれば転職できる」は大きな間違い

未経験からのIT転職の場合、IT資格の取得は強みになるとお伝えしました。

ただ、IT資格さえ持っていれば必ず転職できるというわけではありません。

あくまでも資格は「学んだことの証明」です。独学しましたと言うだけではアピールポイントとして弱いと思うのならば、どこまで知識が身についているか試すものとして資格は持っておくと良いでしょう。

例外として、特定のIT資格を持っていないと応募できない企業もあります。募集要項を確認して、どんな資格が必要かを必ず確認するようにしてください。

2.IT資格には「国家資格」と「ベンダー資格」の2種類ある

IT資格には「国家資格」と「ベンダー資格」の2つが存在します。それぞれどういった特徴があるのかを見ていきましょう。

・国家資格

IT系の国家資格として有名なものに「ITパスポート」や「基本情報技術者」があります。

国家資格は、ITに関する幅広い知識を問う資格試験が特徴です。基礎知識から応用技術、よくある問題が発生した場合の解決能力など、汎用的に使うことができる知識が身につきます。

国家資格は特定のスキルを身につけるための資格試験ではないものの、IT系の企業で働くうえで、基礎知識として汎用的に役立てることができます。

・ベンダー資格

ベンダー資格は、データベースなどの製品やIT関連サービスを提供している企業が、自社製品に関する知識や技能を認定する民間の資格です。製品やサービスについての知識が問われるため、実務的な内容の知識やスキルが身につくのが特徴です。

ただし、実務に直接役立てやすい反面、特定の製品に用途が限られているため、活用できる場面が限定されてしまうので、どんな資格が必要かを見極めて取得することが大切です。

3.未経験からIT転職する際におすすめの資格は?

IT資格には「国家資格」と「ベンダー資格」の2種類あることがおわかりいただけたかと思います。

ここからは、未経験からのIT転職で強みになるおすすめの資格をご紹介します。是非参考にしてください。

・基本情報技術者

基本情報技術者は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が主催する国家資格です。ITに関する基礎的な知識と技能を身につけ、それらの知識や技能を実践的に活用できる人が対象の資格です。

データベースやネットワーク、プログラミング言語、さらにはプロジェクト管理に関する知識といったように、幅広くIT系の基礎知識を学ぶことができます。IT業界で働くうえでごく基本的な知識が集められているので、未経験者が最初に勉強して取得するのに適した資格です。

基本情報技術者の上位資格に「応用情報技術者」という資格もありますが、こちらは実務経験者向けの内容が多くなります。未経験での取得は困難ですが、実務経験を得られた後のステップアップとしてより深い知識を習得することができるので、自身のレベルに合わせて挑戦すると良いでしょう。

資格の種類:国家資格

合格率:25.7%(令和元年度)

出題形式:

午前 多肢選択式(四肢択一・80問)

午後 多肢選択式(11問)

試験時間:各150分

試験日:春期(令和4年4月17日)、秋期(令和4年10月9日)

受験料:7,500円(税込み)

公式サイト:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html

・マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、WordやExcel、PowerPointやAccess、OutlookなどのOffice製品を使えることを証明する国際資格です。

特にExcelは、どの業界でも仕事の管理に使われているので、IT業界に限らず扱えるとかなり役に立ちます。

IT業界で働く場合、Office製品は必ず使うことになるでしょう。

Excelができる人材は重宝されますし、仕事の効率化にも役立てられるので、Office製品の知識を高めるために取得してみるのもおすすめです。

資格の種類:国際資格

合格率:非公開(スペシャリストは約80%、エキスパートは約60%といわれている)

出題形式:バージョンにより異なる

試験時間:50分

試験日:随時開催(ほぼ毎日)

受験料:

スペシャリスト10,584円(学割8,424円)

エキスパート12,744円(学割10,584円)

公式サイト:https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html

・Linux技術者認定資格(LinuC)

LinuCは、Linux(サーバー)技術者としての能力を証明する国際資格です。カナダのNPO法人が主催しているため、特定のベンダーに依存しない中立な立場である点が特徴として挙げられます。

インターネットサーバの半数以上がLinuxですので、Linuxに関する基本的な知識を持っていることを証明できればIT転職に有利です。

LinuCはサーバーに関する知識やスキルを証明することができるので、サーバーサイドのエンジニアになりたい方には特におすすめです。

LinuCにはレベル1~3まであり、レベルが上がるにつれて専門性や難易度も高まります。ここではLinuCレベル1について試験概要を紹介します。

資格の種類:国際資格

合格率:非公開(レベルごとの合格率は非公開、 全レベル合わせると35%程度、レベル1は50%程度といわれている)

出題形式:CBT方式(約60問)

試験時間:90分

試験日:随時開催

受験料:15,000円(税込み)

公式サイト:https://linuc.org/

・CCNA(Cisco Certified Network Associate)

CCNAは、世界最大手ネットワーク会社のCisco(シスコ)社が実施しているベンダー資格です。ネットワークエンジニアの入門資格として有名で、ネットワークに関する基礎知識を身につけたい方におすすめの資格です。

ネットワークと言ってもその範囲は広く、ルーティングや、無線接続、セキュリティや、ネットワークに関わる広範囲の知識が求められます。

CCNAを取得することで、ネットワークエンジニアとしての基本的スキルが備わっているということが証明できます。

資格の種類:ベンダー資格

合格率:非公開(25~30%程度)

出題形式:CBT方式(約100問)

試験時間:120分

試験日:随時開催

受験料:36,960円(税込み)

公式サイト:https://www.cisco.com/c/ja_jp/training-events/training-certifications/exams/current-list/ccna-200-301.html

4.まとめ:どの資格を取得すべき?悩んだらキャリアカウンセラーに相談しよう

今回は未経験からIT転職に挑戦したいと考えている方に向けて、おすすめの資格をご紹介しました。

IT業界未経験の方は以下の流れで資格を取得し、経験を積むと良いでしょう。

1.基本情報技術者やMOSなどの基礎的な資格を取得してITの基盤を固める

2.IT業界で働いて実績や経験を積む

3.その過程で自分の興味のある分野のより専門的な資格を取得する

ただ闇雲に資格を取得することは時間の無駄になってしまいます。

自分が将来的にIT業界に転職してどのように活躍したいのかを明確にし、その目標から逆算して、これから何をすべきか?どのような資格を取得すべきか?を計画することが成功への近道です。

また、IT業界への転職を考えているけれど、

・何から手をつけていいかわからない

・本当にIT業界へ転職することができるのか不安

・目標や将来像はあるが、そこにたどり着くためにどうしていいかわからない

と悩んでいる方は、プロのキャリアカウンセラーに相談してみるのも一つの手です。

1人で悩むのではなく、IT業界に特化した専門家に相談することで、あなたが想い描く将来を実現するための筋道が見えてくるでしょう。

お気軽にお問い合わせください!