未経験でもIT業界に転職できるの?仕事内容やメリットを紹介
2022/04/22
「IT業界に興味があるけれど、未経験だから転職は難しそう…」
「IT業界に転職することはそもそも正解なのか?」
と悩んでいる方はいませんか?
結論からいうと、未経験からIT業界に転職することは可能です。
本記事では、IT業界へ転職するメリットから、IT業界の基礎知識、未経験からIT業界を目指す方法についてご紹介します。
目次
1.そもそもIT業界ってどんな業界?
ITとはInformation Technologyの略で、日本語で「情報技術」を意味します。一般的には、コンピュータとネットワークを利用した技術の総称とされています。
IT(情報技術)を活用してサービスを提供している企業をまとめてIT業界といいます。IT業界の中にもさまざまな職種がありますが、まずはIT業界全体をとりまく現状と将来性について知りましょう。
1-1.IT業界の現状
近年ではデジタル化が急速に進み、経済や社会の発展にはITが必要不可欠となっています。ここ最近ではAIやビックデータの活用、5Gの実装や、AR・VRの普及などが注目されています。
また、コロナ禍による生活様式の変化に伴い、経済や社会のデジタル化の重要性がより明らかになりました。それにより、企業のDX化やクラウド活用、EC等のIT需要は著しく増加しています。
株式会社ITRの調査によると、2021年度(2021年4月〜2022年3月)のIT予算額は、「増額」した企業の割合が35%、「減額」した企業は11%となり、前者が後者を大きく上回っています。
また、DXを推進するために何らかの組織体を有する企業は、調査開始以降初めて7割を超えたことが報告されています。
(出典:『IT投資動向調査2022』株式会社ITR)
このようにIT技術が進歩し需要が高まる一方で、それらに対応できる「IT人材の不足」が大きな課題となっています。
そのため、多くの企業は即戦力となるIT人材を積極的に求めています。IT業界に転職したいと考えている求職者から見れば、売り手市場であるといえるでしょう。
1-2.IT業界の将来性
社会や経済のデジタル化は今後もさらに発展していくことが予想されます。
とはいえ、日本国内ではまだ既存のシステム(レガシーシステム)から脱却できていない企業も多く存在します。今後はそういった企業のDX化やクラウド活用も進んでいくでしょう。
例えば、教育業界ではITを活用した「eラーニング」という学習形式が話題となっています。
また、不動産業界では店舗を持たずに内見から契約まですべてオンラインで完結する仲介サービスも登場しています。
このように、さまざまな業界でITの需要が高まっており、今後もますます国や企業のITへの投資は増えていくでしょう。IT業界の将来は希望に満ちあふれているといっても過言ではありません。
2.未経験でもIT業界に転職できる!
この記事を読んでいる人の中には「未経験でも本当にIT業界に転職できるの…?」と不安に思っている方もいるでしょう。
結論からいうと未経験でもIT業界に転職することは可能です。というのも、IT業界で活躍する人材は誰もが最初は未経験からのスタートです。そのため、未経験というだけで心配する必要はありません。
実は、未経験からIT業界への転職に最も影響するのが「年齢」なんです。これはIT業界に限らず他の業界でも同じことがいえます。
年齢が上がるにつれて、未経験での転職は難しくなっていきます。ここでは20代と30代のIT業界への転職の難易度をまとめてみました。
◆20代未経験の場合
20代は第二新卒層として未経験でも採用されやすい傾向にあります。中堅・中小企業をはじめ、大手企業でも積極的に採用を行っている場合があります。
社会人としてのマナーやコミュニケーションスキル、人柄や意欲などのポテンシャルが評価されれば、採用の可能性は十分にあります。
加えて、ITスクールで基礎的な知識やスキルを身に付けたり、ITに関する資格を持っていると転職の際の大きな武器になるでしょう。
◆30代未経験の場合
30代未経験の場合は、20代と比べて転職の難易度は一段と高くなります。なぜなら、企業側は同じ未経験なら採用コストが比較的安い新卒や第二新卒を採用したいと考えるからです。
また、30代になると業界・職務経験だけでなく、マネジメント経験や企画戦略立案の経験、課題解決スキルの有無が問われます。
このように30代未経験でIT業界に転職するハードルはかなり高いですが、可能性はゼロではありません。目指す職種によっては、実務経験が無くても転職が可能です。
例えば、前職が営業職だった場合は、これまでの経験やマーケティングスキルを生かしてIT企業の営業職に転職できる可能性が高まります。このように異業界でも同職種であれば、採用の可能性は大いにあるでしょう。
記事の後半では、未経験でも転職しやすいIT業界の職種を紹介していますのでお見逃しなく!
3.IT業界に転職するメリット
続いては、IT業界で働くメリットをご紹介します。
会社の規模や職種にもより異なる場合がありますが、
・成長市場である
・働き方の柔軟性が高い
・年収が高い傾向にある
・専門的なスキルが身に付く
の4つのメリットについて具体的に見ていきましょう。
◆成長市場である
記事の冒頭でも紹介したように、IT産業は今後ますます発展し、その需要が高まっていくことが予想されます。金融業界や医療介護業界、教育業界など、今やすべての業界でITが必要とされているといっても過言ではありません。
このことから、多くのIT企業では安定した需要と収益が期待できますし、公的支援も比較的受けやすく、簡単に倒産するようなことはほとんどありません。
万が一倒産しても、ITスキルを身につけた人材は他の企業でも活躍できます。
もちろん技術の進歩に置いて行かれないように知識やスキルを日々アップデートしていく必要はありますが、右肩上がりの業界のため、ITスキルを持った人材が不要になることはないと考えて良いでしょう。
◆働き方の柔軟性が高い
IT業界は他業界に比べ柔軟な働き方が容認されているのが特徴です。
インターネットやPCがあれば決まったオフィスに行かなくても業務ができるため「リモートワーク制度」や、社員が自身で始業・終業時間を決めることのできる「フレックスタイム制度」を導入しているIT企業が多くみられます。
在宅勤務で本来の移動時間を勉強に充てたり、フレックスタイム制度を活用して子どもの送り迎えをしたりと、自分の生活リズムやライフスタイルに合わせて仕事ができるのが、IT業界で働く魅力のひとつといえるでしょう。
◆年収が高い傾向にある
2021年のIT業界全体の平均年収はdodaの調査によると「433万円」となっています。全業界の平均年収が「403万円」なので、IT業界全体としては平均より30万円以上年収が高いという結果になっています。
IT企業では年功序列ではなく、実力主義である場合も多くあります。上記の年齢別の平均年収はもちろん年功序列の側面もありますが、経験年数やマネジメントスキルによって評価されている部分もあるでしょう。
他業界に比べ自分の努力次第で昇進や昇給を実現しやすく、比較的若いうちから高収入が見込めます。
ただ、未経験の場合はスキルを身につけて結果を出すまでに数年かかることは覚悟しておきましょう。トレンドにアンテナを張り、向上心を持って地道に学び続けることができれば自ずと結果は現れるでしょう。
また、IT業界といっても職種や企業の規模によって年収差があるので注意が必要です。
◆専門的なスキルが身に付く
ITに関する知識やスキルは一度身に付けると、他でも通用します。IT業界は成長市場であることや、慢性的な人材不足が問題となっていることから、高いスキルがあればより条件の良い企業へ転職することもできるでしょう。
また、独立して起業したり、フリーランスとして働くことも可能です。いわゆる「手に職を付ける」ことで、安定した需要と収入を得ることができるのがIT業界で働くうえでのメリットといえます。
4.IT業界の分類
「IT企業」と聞いて、どんな会社が思い浮かびますか?
この記事を読んでいる人の中には、具体的にイメージできない方も多いのではないでしょうか。
未経験からIT業界に挑戦する前に、まずはIT業界にどのような種類の企業があるのかを把握しておきましょう。
ここではIT業界を大きく5つに分類し、それぞれどのような商品やサービスを提供しているのかを紹介していきます。
◆ハードウェア業界
パソコンやサーバー、キーボードやスマートフォン等の電子機器類をハードウェアといいます。ハードウェア業界は、それらの開発・製造・販売を行います。
ハードウェア業界におけるエンジニアは、組み込みエンジニアと呼ばれ、C言語を用いて機器の開発や設計を行っています。
近年のハードウェア業界においてはIoTがトレンドとなっており、ハードウェアとインターネットを掛け合わせたスマート家電などの開発が進んでいます。
ハードウェア業界の代表的な企業
SONY、日立、パナソニック、Apple、富士通等
◆ソフトウェア業界
ソフトウェア業界では、パソコンやスマートフォン等のハードウェアを実際に動かすためのソフトウェアやアプリケーションの開発・販売を行います。
ソフトウェアの主な例としては、文書作成ソフトや表計算ソフト、画像編集ソフト、会計ソフトなどが挙げられます。
ソフトウェア業界の代表的な企業
日本オラクル、オービック、アドビシステムズ等
◆情報処理サービス業界
情報処理サービス業界では、企業が求める情報システムの設計・開発や、システム構築後の運用・保守を行います。
企業の課題や要望をヒアリングして、最適なシステムの開発や導入を提案するといったコンサルティングの側面が強くあります。
情報処理サービス業界で提供される情報システムの例としては、決済システムや顧客管理システム、生産管理システムなどが挙げられます。
情報処理サービス業界の代表的な企業
NTTデータ、TIS、野村総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズ等
◆情報通信業界
情報通信業界では、電話やインターネット、光ファイバーや無線等の通信サービスの整備・提供を行います。
情報通信業界の代表的な企業
docomo、KDDI、SoftBank等
◆インターネット・Web業界
Web・インターネット業界では、GoogleやYahoo!等の検索エンジン、TwitterやFacebook等のSNS、Amazonや楽天等のECサイトといったインターネットサービスを提供します。また、WebサイトやWeb広告の制作や配信、運用等のサービスを提供する企業も「インターネット・Web業界」に属します。
インターネット・Web業界の代表的な企業
Google、Facebook、Amazon、楽天、サイバーエージェント、DMM等
5.IT業界の代表的な職種
IT業界にはさまざまな職種が存在します。「プログラマー」や「システムエンジニア」等、聞いたことはあってもそれらの違いや仕事内容まで理解している人は多くありません。ここでは、IT業界における代表的な5つの職種をご紹介します。
◆プログラマー
プログラミング言語を用いて、アプリケーションやソフトウェアを作成する仕事です。基本的にはシステムエンジニア(SE)が作成した設計書に基づいてプログラミングを行います。プログラムのテストやエラーの修正等も担当することがあります。
◆システムエンジニア(SE)
クライアントのニーズに合わせて最適なシステムを開発するための要件定義や設計等の上流工程を担当する仕事です。
プロジェクト全体の管理をして指揮を執る立場なので、プログラマーの上位職であるといえます。
プログラミング業務は、プログラマーに依頼することもあれば、自身で行うこともあります。
◆ITコンサルタント
企業の経営課題や業務課題に対し、どのようなシステムを導入すれば解決できるのかを提案する仕事です。
企業の課題に対して最適なシステムを構築するのがシステムエンジニア(SE)の仕事であるのに対し、ITコンサルタントは企業の課題解決のためにどのようなシステムを導入すべきかを提案するのが仕事です。
仕事の流れとしてはざっくりと以下のようになります。
1.ITコンサルタントが顧客のニーズや課題に合わせたシステムの導入を提案
2.提案が顧客に承認されたら、ITコンサルタントがSEにシステムの開発を依頼
3.SEが作った設計書や仕様書通りにプログラマーがプログラミングする
つまりITコンサルタントはシステム開発の最上流工程を担当します。ゼロベースからシステム化の提案をすることもあるため、高い技術力が求められる職種です。
◆テクニカルサポート・ヘルプデスク
企業が提供する商品やサービスについて、利用者から寄せられる技術的な問題に関する問い合わせに対応し、トラブル解決のためのサポートを行う仕事です。
◆Webディレクター
Webディレクターは、Webサイト制作における総監督といえる職種です。Web制作に関わるデザイナーやライター、コーダー等からなるプロジェクトチームをまとめ、スケジュール管理や、品質管理、クライアントとのコミュニケーションを担当します。Webに関する豊富な知識やノウハウ、コミュニケーション能力やマネジメント能力が求められます。
6.IT業界未経験でも挑戦しやすい職種
IT業界、特に「エンジニア」といえば理系のイメージが強いですが、文系出身者やIT業界未経験でも挑戦しやすい職種があります。ここでは、未経験者を積極的に採用している「インフラエンジニア」と「バックエンドエンジニア」についてご紹介します。
◆インフラエンジニア
インフラエンジニアは、システムやインターネットを使用するために必要なサーバーやネットワーク、セキュリティ等の設計・構築・運用・保守を行う技術職です。
インフラエンジニアはシステムエンジニア(SE)等と比較すると、運用・保守が業務の大半を占めているのが特徴です。システムが正常に動作するように監視やメンテナンスをしたり、トラブルが発生した際に原因を見極めて対処したりするのが主な仕事内容となっています。
システムを一から設計したり、がっつりプログラミングを行うということがないため、若手や未経験でも挑戦しやすい職種です。
◆バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアはユーザーが直接目にすることのないWebサイトの土台を構築する職種です。PHPやPython、Rubyといったプログラミング言語を用いてWebサイトを構築します。サーバーの構築やシステムの開発、運用や保守もバックエンドエンジニアの業務となります。
未経験で転職する際に、インフラエンジニアと比較するとやや難しい職種ではありますが、Webサイト構築の経験やポートフォリオ等があれば採用される可能性があるといえます。
◆ヘルプデスク・テクニカルサポート
ヘルプデスクやテクニカルサポートも未経験で挑戦しやすい職種の一つです。ヘルプデスクとテクニカルサポートについては「5.IT業界の代表的な職種」で紹介しました。
専門的な技術というよりも、コミュニケーションスキルやトラブルへの対応力が求められます。
専門知識は必要となりますが、IT全般の知識というよりは企業が提供する特定の製品やサービスに関する独自の知識が求められます。
そういった知識は入社後の研修や実務で身に付けていくというケースが多いため、対人能力があれば未経験でも採用の可能性が十分にあるでしょう。
7.未経験からIT業界を目指す方法
未経験からIT業界への転職を成功させるためには、何よりも実務経験が必要となります。
ここで「未経験なのにどうやって実務経験を得るの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
実は、派遣やパート・アルバイト業務での経験も実務経験に入ります。
最近ではIT人材の不足により、パートやアルバイトの求人が増えている傾向にあります。
パートやアルバイトであれば、独学でも最低限の知識や資格が備わっていれば、採用してもらえる可能性はあるため、積極的に応募をしてみることが重要です。
パートやアルバイトで学びながら実績を上げることができれば、つぎの仕事や契約社員・正社員の登用へと繋がります。
ここで必ずしも将来にわたってずっと働き続けたい会社に就職する必要はありません。とにかく一つでも多くの経験を積んで、説得力のあるポートフォリオを作成しましょう。そうすることで、その後もっと条件のいい職場に転職したりフリーランスに転身したりする道も開けてくるのです。
8.まとめ:未経験でもIT業界に転職できる!
本記事では、IT業界の職種や業界の概要をはじめ、未経験から転職しやすい職種、未経験からの目指し方について解説してきました。
未経験でもIT業界への転職は十分に可能です。しかし、いずれの職種も専門的なスキルが求められますので、事前に学んでおくことが重要です。
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